比例のグラフを考える.グラフを描くために,次のようなものを導入する.
これを座標平面という.横の数直線を\(x\)軸,縦の数直線を\(y\)軸という.\(x\)軸と\(y\)軸の交点を原点といい,Oで表す(OはOriginの頭文字).
座標平面上の点PをP(3,5)と表す.この(3,5)を座標といい,3を\(x\)座標,5を\(y\)座標という.
中学・高校で何を習ったっけ?
教科書内容をふり返ってみよう
次に\(x\), \( y \)を使って表してみよう.「支払った金額」を\( y \)[円],「買った菓子の個数」を \( x \) [個] とする.そうすると
(支払った金額)=200×(買った菓子の個数)
は,
\[ y = 200 \times x\]
と表すことができる. このように“\(y\) =(\( x \)の式)”で表すことを「\( y \) を \( x \) の式で表す」という.
一般に,定数\( a \) を使って,
\[y = a x\]
の式の形で表されるとき,\( y \) は \( x \)に比例するといい,\(a \) を比例定数という.\(a\) は \(x \) が1増加したときの\( y \)の増加する量を表している.
買った個数と支払った金額を表にして考えると
買った菓子の個数(個) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
支払った金額(円) | 200 | 400 | 600 | 800 | 1000 | 1200 | 1400 |
さて,買った個数と支払った金額の関係(対応)を考えてみよう.
買った菓子の個数(個) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
\(f\) | ![]() |
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支払った金額(円) | 200 | 400 | 600 | 800 | 1000 | 1200 | 1400 |
どのような関係があるだろう.
買った菓子の個数(個) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
\(f\) | ![]() |
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支払った金額(円) | 200 | 400 | 600 | 800 | 1000 | 1200 | 1400 |
支払った金額は菓子の個数を200倍することで求められることがわかりる.
式で表すと
(支払った金額)=200×(買った菓子の個数)
のようになる.
このような式で表されるとき,「支払った金額」は「買った菓子の個数」に比例するといいます. 当然,これも「支払った金額」は「買った菓子の個数」の関数です.
最も簡単だけれども美しい性質をもつ関数「比例」について学習しよう.
早速,「比例」って何かを考えてみよう.
例えば,一袋200円の菓子を
1つ買うと200円.
2つ買うと400円.
3つ買うと600円.
このように,買った個数と支払った金額を表にして考えると
買った菓子の個数(個) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
支払った金額(円) | 200 | 400 | 600 | 800 | 1000 | 1200 | 1400 |
では,買った個数と支払った金額の関係(対応)を「買った菓子の個数(個)」と「支払った金額(円)」の比に注目して考えてみる.
(支払った金額):(買った菓子の個数)=200:1=400:2=・・・=1400:7
となって, (支払った金額)の(買った菓子の個数)に対する比の値は,つねに
\[ \frac{200}{1}=\frac{400}{2}= \cdots = \frac{1400}{7} \]
となり,一定の値\(200\)となる.このように, 「(支払った金額)の(買った菓子の個数)に対する比の値が一定」となるとき,「(支払った金額)は(買った菓子の個数)に比例する」という.
関数とは2つのともなって変わる数 \( x \), \( y \) があって, \( x \)の値を一つ決めると,それに対応する\( y \) の値がただ1つと定まるとき、\( y \) を \( x \) の関数といい、
と表す.
また,ともなって変わる数 \( x \), \( y \) のことを変数といい,特に\( y \) を従属変数, \( x \)を独立変数という.
Xの中の \(x\) は \(f\) によって \(y\) に対応している.このことを、
となる (→参照 ). また、\( y = f(x) \) だから
\begin{eqnarray*}
y &=& f(x) \\
&=& 2x
\end{eqnarray*}
と表すことができる.
「関数」と言われると数学の教科書に書かれている
\[y=2x,~~ y=-\frac{1}{2}x+3,~~\cdots\]
などの数式を思い浮かべるかもしれない.確かに、中学や高校で学習する数学の関数は、数式で表されたものである. では、「関数」で大切なことは、数式で表すことなのだろうか?
「関数」は「対応」を表しているという捉え方が大切である.
例えば、コンビニでア社のポテトチップスを買うとしよう.そのポテトチップスに円という価格がつけられていれば、
ア社のポテトチップス → 98円
という対応を考えることができる.
このコンビニエンスストアのその時点でア社のポテトチップスの価格は、98円以外には存在しない.
他のメーカーのポテトチップス
イ社のポテトチップス → 105円
ウ社のポテトチップス → 98円
があったとすると、対応は、
のように→で対応づけることができる.このときの矢印 \( f \) を関数という.
このように、あるものAを決めたとき、それに対応するものBが一つ決まるとき「AをBの関数」という.
このような2つのものA,Bについての関係は、商品と価格以外にもいろいろ考えられる. 身の回りの関数を探してみよう.
ここからは、単純に数字と数字の関係について扱うことにする.
教科書には,「関数」と書いてあるが,「関数」はどういう意味があるのか?
古い教科書を見ると「関数」は,「函数」と書いてある。 「函数」は中国語で発音すると英語の”function”に似ている。「幾何」と同様に「函数」も音から中国に入ってきた言葉といわれている。日本では「函数」を教科書に記載するとき,常用漢字に「函」が含まれないことから,「数と数の関係を表す意味」と捉えて,「関数」と記述した。
“function” を辞書で調べて見よう。 どのような意味が載っているだろうか?
「人やものがおこなう特別な活動や目的」という概念を表す言葉で,「機能」, 「作用」, 「働き」
などが書かれている。
\( x \) についての等式
\[ a_n x^n + \cdots + a_1 x + a_0 = b_n x^n + \cdots + b_1 x + b_0\]
が,\( x \) について恒等式であるならば,
\begin{eqnarray*}
a_n &=& b_n \\
&\vdots& \\
a_2 &=& b_2 \\
a_1 &=& b_1 \\
a_0 &=& b_0
\end{eqnarray*}
となる.
逆に
\( x \) についての等式
\[ a_n x^n + \cdots + a_1 x + a_0 = b_n x^n + \cdots + b_1 x + b_0\]
において
\begin{eqnarray*}
a_n &=& b_n \\
&\vdots& \\
a_2 &=& b_2 \\
a_1 &=& b_1 \\
a_0 &=& b_0
\end{eqnarray*}
ならば,
\[ a_n x^n + \cdots + a_1 x + a_0 = b_n x^n + \cdots + b_1 x + b_0\]
は\( x \) について恒等式となる.
\( x \) についての等式
\[ a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \cdots + a_2 x^2 + a_1 x + a_0 = 0\]
が,\( x \) について恒等式であるならば,
\[ a_n = a_{n-1} = \cdots a_2 = a_1 = a_0 =0 \]
となる.
逆に
\( x \) についての等式
\[ a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \cdots + a_2 x^2 + a_1 x + a_0 = 0\]
において
\[ a_n = a_{n-1} = \cdots a_2 = a_1 = a_0 =0 \]
ならば,
\[ a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \cdots + a_2 x^2 + a_1 x + a_0 = 0\]
は\( x \) について恒等式となる.